精密板金におけるレーザー加工とタレパン加工の違い
投稿日:2025年04月11日
板金加工には様々な技術がありますが、代表的なものとしてレーザー加工とタレパン加工があります。どちらも金属板を加工して製品を生産できますが、加工方法や仕上がりに違いがあります。ここでは、レーザー加工とタレパン加工の違いと、それぞれのメリット・デメリットを比較します。
レーザー加工について
レーザー加工は、レーザー光を照射して金属を溶融または蒸発させて加工する方法です。光を一点に集め、その高熱で金属を加工するイメージです。レーザー発振器には、CO2レーザー、YAGレーザー、ファイバーレーザーの3種類があります。
・CO2レーザー:炭酸ガスを励起源とするレーザー
・YAGレーザー:固体レーザー光線を用いるレーザー
・ファイバーレーザー:光ファイバーを用いる固体レーザー
レーザー加工のメリットは、ダレや返りのない高品質な切断面が得られることです。また、金型が不要なため、複雑な形状の加工や多品種少量生産に適しています。工具交換の必要がなく、段取り時間の短縮も可能です。
一方で、加工速度はタレパン加工に比べて遅く、グラフィックソフトを用いたプログラミングが必要となるため、ソフトウェアの知識が求められます。また、レーザーの焦点深度が短いため、加工できる板厚に制限があり、最大で3cm程度の金属板までです。熱で溶かす加工のため、熱に弱い金属や、熱による変色が問題となる場合には不向きです。加工には高度な技術が必要なため、コストは比較的高めになります。
タレパン加工について
タレパン加工は、金型を使って高い圧力をかけ、金属板を打ち抜く加工方法です。レーザー加工と同じように薄い金属板を加工しますが、高速で大量生産が可能です。形状によっては金型が不要な場合もあり、小ロット生産でも低コストで対応できます。また、レーザー加工では加工できない素材にも対応できる場合があります。急な設計変更にも柔軟に対応できる点もメリットです。
ただし、加工できる板厚は3mm程度とレーザー加工に比べて薄く、打ち抜き加工のため、切断面にダレや返りが生じやすいというデメリットがあります。綺麗な断面が必要な場合は、研磨などの後処理が必要です。コストはレーザー加工に比べて低く抑えられます。
最適な板金加工の選び方
レーザー加工とタレパン加工は、それぞれ異なる特性を持っています。製品に必要な条件に合わせて、最適な加工方法を選択することが重要です。
・高品質な仕上がり、複雑な形状、少量生産にはレーザー加工
・大量生産、コスト重視、比較的単純な形状にはタレパン加工
どちらの加工方法を選ぶ場合でも、それぞれのメリット・デメリットを理解し、加工業者とよく相談することをおすすめします。
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いかがでしたでしょうか。
今回は、レーザー加工とタレパン加工の違いを紹介をしました。
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