精密板金加工品に用いられる材料と板厚
投稿日:2025年04月11日
精密板金加工品は、その用途に応じて多様な材料から作られます。特に、鉄やステンレス、アルミニウムを使用した精密板金加工品は広く利用されています。また、一口に鉄といっても、SPCC、SECC、SGCCといったさまざまな種類が存在します。
これらの材料は、耐食性の有無や密度、引張強度といった物性値の違い、さらには外観の違いなど、それぞれ異なる特徴を持っています。一般的に精密板金加工で使用される材料としては、鉄材ではSPCC・SECC・SGCC、ステンレス材ではSUS304・SUS316、アルミニウム材ではA1050・A5052などが挙げられます。
同じ材質でも種類や特性が異なる
板金加工品は、その使用用途に応じて多様な材料が用いられます。特に鉄、ステンレス、アルミニウムを使用する製品は幅広く利用されています。同じ鉄やアルミといっても、種類によって特性が異なります。一般的な板金加工の材料は以下の通りです。
軟鋼板(SPCC、SECC、SGCC など)
ステンレス鋼板(SUS304、SUS316 など)
表面処理鋼板
アルミニウム板(A1050、A5052 など)
銅板 など
軟鋼板は一般的に鉄板と呼ばれ、以下のような種類があります。
- 熱間圧延鋼板(SPHC):鋼塊を高温のまま圧延して鋼板にしたもの
- 冷間圧延鋼板(SPCC):熱間圧延後、酸化皮膜を除去し、常温でさらに圧延加工したもの
ステンレス鋼板は、クロムを12%以上含むことで耐食性を高めた鋼板です。 表面処理鋼板は、軟鋼板の表面にメッキ処理を施したものや、さらに塗装を施したものです。 アルミニウムは軽量で、熱伝導性や電気伝導性に優れています。 銅板は、導電性・熱伝導性に優れ、黄銅(銅+亜鉛)、青銅(銅+すず)などの種類があります。
板厚の分類と特性
板厚は以下のように分類されます。
厚板(6mm以上)
中板(3mm以上6mm以下)
薄板(3mm未満)
一般的に、高い精度が求められる薄板を扱う加工を精密板金と呼び、中厚板主体で比較的高い精度を必要としない加工を製缶板金と呼びます。
各材料には、耐食性、密度、引張強度などの物理的性質の違いや、外観の違いがあります。また、市場に流通していない板厚のものもあるため、材料の選定時には特性を十分理解した上で設計を行う必要があります。
板厚選定時の確認ポイント
材料選定の際には、それぞれの特性を十分に理解した上で設計を行うことが重要です。例えば、屋外で使用する製品であれば、もともと耐食性を備えた材料を選択することで、追加の表面処理加工を省略でき、コスト削減につながります。また、材料によっては市場に流通していない板厚のものもあるため、事前に流通性を確認する必要があります。
このように、材料選定においては、精密板金加工品が使用される環境や製品形状、さらには材料の市場流通性などを総合的に考慮することが求められます。
これらを考慮し、精度の高い板金加工を実現するために、適切な材料と板厚の選定を行いましょう。
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いかがでしたでしょうか。
今回は、精密板金加工品に用いられる材料と板厚として紹介をしました。
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