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アルミ筐体の歪みを抑え、強度を向上させる新たなご提案

「アルミ筐体の製作において、歪みを最小限に抑えた上で、強度を向上させたい・・・」

というような相談を、お客様からよくいただきます。

 

そこで、当社では、スポット溶接に代わる新たな接合工法を用いて、歪みを最小限に抑え、強度を向上させる工法を提案しています。

 

当記事では、精密板金ひらめき.comを運営するCREST PRECISIONが、お客様にご提案しているスポット溶接に代わる新たな接合方法について、ご紹介します。

ぜひ、アルミ筐体の製作依頼時に、当記事の情報をご活用ください。

 

歪みを抑え、強度を上げる「ファーストスポットファスナー」の紹介

当社では、アルミ筐体への接合は、スポット溶接やリベット留めに加え「ファーストスポットファスナー」を採用しています。

ファーストスポットファスナーは、二枚の板を両面がフラットな状態で締結することができる接合方法であり、溶接工法の代替として用いられています。

 

スポット溶接と比較して歪みを最小限に抑えることはもちろんですが、接合面に出っ張りが無い上に強度を高められることから、近年注目されている工法です。

 

「ファーストスポットファスナー」と「スポット溶接」の強度比較

今回は、その強度面に焦点をあてて「ファーストスポットファスナー」と「スポット溶接」を比較してどのくらい強度が高くなるのか、実際に試験を実施したデータを基に紹介します。

ファーストスポットファスナーとスポット溶接の接合イメージ

今回の試験で比較する2つの接合イメージは、下記となります。

2つの画像を比較して分かる通り、ファーストスポットファスナーは、出っ張りが無くフラットな状態で接合がされています。

 

評価試験内容

試験内容は、

・引張強度試験
・剪断力試験

の2つの試験を実施し、試験は、長野県工業技術総合センター様の試験機を使用しました。

試験環境

・試験設備:引っ張り試験機
・試験場所:長野県工業技術総合センター
https://www.gitc.pref.nagano.lg.jp/cms/

試験機

 

①引張強度 試験結果

下記結果の通り、ファーストスポットファスナーを使用した製品の引張強度が、スポット溶接と比較して高いことが分かります。

ファーストスポットファスナーを採用することで、約2倍の強度を出すことが可能です。

 

②剪断力 結果

剪断力の試験結果は、下記となります。

剪断力の試験結果を比較すると、スポット溶接よりもファーストスポットファスナーの方が明らかに高いことが分かります。

 

2つの試験内容をまとめると、

スポット溶接 < ファーストスポットファスナー

の順で強度が高くなる結果となっています。

 

アルミ筐体への溶接は、特に歪みが発生しやすいため、複数個所のスポット溶接を検討される方も多いと思いますが、歪みを最小限に抑えた上で強度を高めたい場合は、「ファーストスポットファスナー」を推奨します。

 

精密板金の設計段階でのお悩みは、精密板金ひらめき.comにお任せください!

いかがでしたでしょうか。

今回は、アルミ筐体の強度を向上させる新工法「ファーストスポットファスナー」を紹介しました。

 

精密板金において設計段階でお困りごとがあれば、当社にご相談いただけますと非常に嬉しいです。

精密板金ひらめき.comを運営するCrest Precisionでは、精密板金の設計・製作を手掛けてきた豊富な実績がございます。

また、溶接やリベット等の最適な結合方法の検討や、求められる強度に考慮した材料・板厚の選定など、お客様のご要望に合わせた提案も行っております。

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