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板金筐体へ用いる塗装の選定ポイント

板金筐体への塗装を正しく選定するポイントは?

板金筐体への塗装においては、使用用途やコストに合わせた最適な塗装の選定が必要になります。

実際に当社のお客様からも、

 

「耐食性は欲しいが、コストを抑えて製作したい…」

「とにかく外観品質が高い塗装を使いたい… 」

「屋外で使用する筐体のため、耐食性も欲しいが、外観品質も高めたい… 」

 

などの、ご相談をよくいただきます。 

 

最適な塗装を選定するには、各塗装におけるコストや外観品質などを比較した上で、選定する必要があります。

 

板金筐体で用いられる塗装の種類

板金筐体においては、粉体塗装・メラミン塗装・アクリル塗装を使用することが多いため、下記にて、各塗装方法ごと特長を紹介します。

 

・粉体塗装

パウダー状の塗料を金属に直接付着させて加熱し、乾燥させて固めることで塗膜とする塗装法です。

膜厚が厚く、塗装自体の強度も高いため、屋外で使用される製品への塗装によく用いられます。

 

・メラミン塗装

メラミン樹脂を主成分とした塗料を塗装し、乾燥炉により焼き付けをする塗装方法です。

粉体塗装と比べてコストが安いため、使用されることも多く、特に外観品質が厳しく求められる製品に使用されます。

 

・アクリル塗装

アクリル塗装は、アクリル樹脂を主成分とした塗料を塗装し、乾燥炉により焼き付けをする塗装の一種です。

耐食性、耐候性が優れているため、長期的にはコストメリットがありますが、メラミン塗装と比べると若干コストが高くなります。

 

板金筐体への塗装おける、選定のポイント

塗装方法によっては、コスト・耐食性・外観性も大きく変わってきます。

下図にて、各塗装ごとにコスト・屋外仕様 等、を比較して紹介しておりますので、ぜひご確認ください。

1.屋外で使用するかつ、外観品質も求めるなら、粉体、アクリル塗装を!

上図から分かるように、粉体塗装とアクリル塗装は、耐食性も高く、屋外での使用に向いています。コストは若干高くなりますが、屋外で使用される板金筐体には最適な塗装になります。

 

2.屋内で使用する板金筐体への塗装なら、メラミン塗装を!

とにかく、コストを抑えた塗装をしたい場合は、メラミン塗装をおすすめします。屋外での使用は不向きですが、外観品質は高く、屋内で使用する板金筐体なら、メラミン塗装が最適です。

 

豆知識:粉体塗装と焼き付け塗装の違いって何?

焼付塗装とは

焼付塗装とは、物体に塗料を塗った後、乾燥炉で加熱して塗膜を硬化させる塗装方法です。単に加熱して乾燥させるだけではなく、焼付塗装専用の塗料を使用して行います。

粉体塗装とは

一般的に塗装といえば溶剤の塗料を使用しますが、粉体塗装は、粉状の塗料を用いる塗装方法です。粉体塗装では、物体に粉体塗料を吹き付けて付着させた後、乾燥炉で加熱して塗膜を形成し、塗装を行います。

 

よくお客様より「焼付塗装と粉体塗装の違いは何ですか?」という質問を受けることがありますが、実は、塗料を付着させた後に熱を加えて硬化させるという点では、大きな違いはなく、粉体塗装も広義には、焼付塗装の一種となります。

 

板金筐体への塗装でお悩みなら、精密板金ひらめき.comにお任せください!

いかがでしたでしょうか。板金筐体+塗装の依頼時に今回ご紹介しました各塗装の特長を思い出していただけると非常に嬉しいです。

精密板金ひらめき.comを運営するCrest Precisionでは、塗装が必要な板金筐体の設計・製作を手掛けてきた豊富な実績がございます。

また、最適な塗装方法の検討や、使用される環境やコストなど、お客様のご要望に合わせた提案も行っております。

板金筐体への塗装は、ぜひ当社にお声掛けください。

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