必要以上の公差指示していませんか? 一般公差を押さえて、コストダウンを実現!
投稿日:2022年10月18日
必要以上の公差指示していませんか?
ご存知の通り、板金加工は、切断、曲げ、溶接等を基本とする加工方法です。
加工方法の特性上、曲げ加工による寸法・角度誤差、切断や溶接による反り・歪み等を避けることはできません。
そのため、板金加工品を設計する際は、求める製品に沿った公差の指示が非常に重要となります。
しかし、市場に出回っている図面の中には、複数の公差が設けられているにも関わらず、実用上必要な公差ではないこともしばしば見受けられます。
この無駄な公差指示により、大幅なコストアップに直結することも大いにあります。
こういった事態を防ぐためには、板金加工における一般公差をしっかりと把握しておく必要があります。
下記にて、具体的な事例をご紹介します。
例えば、機械加工では、百分台の公差指示が求められることがよくあります。機械加工品から板金加工品へ切り替えた図面では、時折、この機械加工の百分台の公差がそのまま記載されていることがあります。今回の事例では、、±0,01の公差の記載がありました。しかし、実際には、板金加工では、百分台の精度を出すことができません。したがって板金における現実的な寸法公差を押さえた上で設計することが必要です。
こういった場合、百分台の寸法公差を削除し、板金加工で実現できる現実的な公差を指定することが重要です。そうでなけえれば、コストが高くなるばかりか、場合によっては、加工することができないといった事態に陥りかねません。このように、設計者は、板金加工で実現できる公差について精査・見直しを行い、場合に応じては一般公差で指定することで、コストダウンを実現することが可能です。
公差指示に役立つ!板金加工における一般公差をご紹介!
板金加工の公差には、通常「JIS B 0408」の一般公差が適用されます。下記にてその一般公差表をご紹介します。
主に、A級、B級、C級の3種類の一般公差がありますが、A級レベルの精度を求めると、コスト高くなってしまいます。
そのため、コストを抑えたい場合は、C級を中心に考えていただくと良いかと思います。
是非、ご参考いただき、実際の板金加工品の設計にご活用ください。
寸法公差(打ち抜き・レーザー加工)
寸法公差(曲げ加工)
寸法公差(溶接)
曲げ角度
真直度・平面度
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は、設計時に役立つ板金加工における一般公差(JISB 0408)についてご紹介しました。是非、上表をご活用いただき、不要な公差指示を避け、コストの削減につなげて頂ければと思います。精密板金ひらめき.comを運営するCrestPrecisionでは、もちろん、一般公差を超える高精度な板金加工品の製作にも対応しております。