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航空業界の精密板金におけるポイントをご紹介!

1.精密板金加工品が使用される業界とは?


精密板金加工品は身の回りのあらゆる業界で使用されています。

民生品だけではなく工業用途にも多く用いられており、工作機械業界・自動車業界・半導体業界、さらには食品業界や医療業界などでも使用されています。

各業界における精密板金加工品にはそれぞれ特徴があり、気を付けるべき点や押さえておくべきポイントも様々です。

 

ご存知ない方も多いと思いますが、当社では航空業界向けの精密板金加工品も手掛けています。

弊社の強みである精密板金加工技術を用いて、地導体板(アンテナ部品)や仕舞板などを製作しています。

そこで、今回は航空業界の精密板金加工品に使用される材質・押さえておくべきポイントについてご紹介します。

 

2.航空業界の精密板金加工品に使用される材質とは?

航空業界向けの精密板金加工品には、”強度と軽量性”の両立が求められます。

そんな航空業界で使用される精密板金加工品の主な材料は、強度と軽量化を両立でき、材料供給の安定性も高いアルミニウム合金・マグネシウム合金・チタニウム合金です。

下記にて、それぞれの材質の特徴をご紹介します。

アルミニウム合金

アルミニウム合金は、重量が鉄の約1/3と非常に軽く、加工性に優れた材質です。航空業界においては、そんなアルミニウム合金の中でも特に、2000番台の「ジュラルミン」「超ジュラルミン」、7000番台の「超々ジュラルミン」が使用されています。ジュラルミン系のアルミニウム合金は、強度が極めて高いことが特徴として挙げられます。その一方で、溶接性に優れておらず、溶接・結合が必要な場合はリベットやボルトによる結合や抵抗スポット溶接(低温の溶接)が用いられます。これらのアルミニウム合金は、航空機の客室床板・胴体外板・主翼外面などに用いられています。

マグネシウム合金

マグネシウム合金は、重量が鉄の約1/4とアルミニウム合金よりもさらに軽い材質となります。軽量性は非常に優れていますが、耐食性が低いことが特徴として挙げられます。この特徴から、長期間使用することを前提としている民間輸送機では重宝されていません。

チタニウム合金

チタニウム合金は、重量が鉄の約1/2とアルミニウム合金・マグネシウム合金と比較すると、重量はあるものの耐食性の高い材質です。従来は、原料価格と加工難度の高さから、航空機における使用率は非常に低いものでした。しかし、現在では加工法の進歩によって、鋼に代わる材質として航空機の構造部材やボルトなどに用いられています。

 

3.航空業界の精密板金加工におけるポイント!

航空業界における精密板金加工品に求められることは、”強度と軽量性の両立”です。航空業界の精密板金加工品の設計を行う際、多くの方はこの”強度と軽量性の両立”に悩まされているのではないでしょうか。

この”強度と軽量性の両立”を実現するために押さえておくべきポイントは、最適な組み立て方法により無駄を省くことです。

 

一般的に、精密板金加工品では、溶接による組み立てが重宝されています。

 

しかし、溶接による組み立ては航空業界の精密板金加工品には向いていません。

理由としては、溶接を多用することで、強度・軽量性の低下につながるからです。

また、前述した通り、航空業界の精密板金加工品にはアルミニウム合金など、溶接が難しい材質が用いられることが多いため、材質の観点からも溶接は不向きであるといえます。

(ただ、航空機の機体部分ではなく、エンジン回りの部分には、溶接が要求されることもあります。また、エンジン回りの部分には、耐熱性の高いチタンやコバルトを主する合金が使用されます。)

 

では、航空業界の精密板金加工品には、どういった組み立て方法が最適といえるのでしょうか?

 

航空業界の精密板金加工品の最適な組み立て方法としては、リベット、ネジ・ボルト、圧入ナットによる組み立てが挙げられます。

下記にてそれぞれの組み立て方法についてご紹介します。

1.リベット

リベットは、熱による歪みが発生しにくく、振動に強くゆるまないといった特徴があります。

リベットの取付箇所が適切である場合には強度や軽量性に影響を及ぼすリスクは非常に低いため、航空機の機体接合において、幅広く用いられています。

さらに、リベットは費用が安くコストダウンも併せて実現することができます。

2.ネジ・ボルト

従来、ネジ・ボルトは、振動に弱く、ゆるんでしまうといった欠点がありました。

しかし、現在では技術の進歩によりゆるみにくいネジ・ボルトが開発されています。

また、リベットと同様にネジ・ボルトも取り付け箇所が適切である場合には、強度や軽量性に影響を及ぼすリスクは非常に低いため、リベットに代わる接合部品としての普及が進んでいます。

さらに、バーリング加工を活用することにより、さらなる強度の向上を実現することも可能です。

3.圧入ナット

圧入ナットは、アルミニウム合金など溶接によるナット付けが困難な製品に用いられます。

溶接が困難なアルミニウム合金に対して、鉄のナットを接合できる点が特徴として挙げられます。

また、特定方向への強度が他の組み立て方法よりも高いため、接合方向を決めることである特定の方向への強度向上を実現することが可能です。

リベット、ネジ・ボルトは航空機の機体接合において幅広く用いられていますが、一般的に圧入ナットは、航空機の機体接合ではなく、航空計器等に用いられています。

 

つまり、設計段階から、溶接により組み立てている部分を可能な限り減らし、リベット、ネジ・ボルト、圧入ナットによる組み立てに置き換えることを意識して設計を行うことで、航空業界の精密板金加工品に求められる”強度と軽量性の両立”を実現する事が可能となります。

 

4.航空業界の精密板金加工品も当社にお任せください!

いかがでしたでしょうか。今回は、航空業界向け精密板金加工品に使用される材質、押さえておくべきポイントについてご紹介しました。航空業界の精密板金加工品は、”強度と軽量性の両立”が求められ、非常に難易度が高いことがお分かりいただけたかと思います。

精密板金ひらめき.comを運営するCrestPrecisionでは、もちろん航空業界の精密板金加工品に対応しております。航空業界の精密板金加工品で重宝されるリベット、ネジ・ボルト、圧入ナットによる組み立てにも対応しており、”強度と軽量性の両立”を実現した製品を製作することが可能です。

また、航空業界の精密板金加工品には高度な精度・仕様が要求されますが、当社が長年培ってきた精密板金加工技術により、こういった高度な仕様要求にもお応えいたします。

航空業界の精密板金加工品でお困りの方は、お気軽に当社にご相談ください。

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